馬の蹄叉腐病を徹底解説:症状から治療・予防まで

「馬の蹄叉腐病(スラッシュ)って、どんな病気?」と聞かれたら、私はこう答えます。馬の蹄叉腐病は、嫌気性細菌が原因で蹄の裏側が腐敗してしまう、非常に一般的なトラブルです。そして、あなたが知りたい「治療法」や「予防法」も含めて、この記事ですべてお伝えします。実際、私が乗馬クラブで働いていた時も、この病気で悩む馬主さんを何人も見てきました。正しいケアをすれば、ほぼすべてのケースで改善できるというのが、私の実感です。まずは、この記事を読んで、「今、あなたの馬の蹄は大丈夫か?」をチェックしてみてください。

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馬の蹄叉腐病(Thrush)とは?

蹄叉腐病の基礎知識

馬の蹄叉腐病って、聞いたことありますか?これは、嫌気性細菌(酸素がなくても増える細菌)が原因で起こる、蹄のよくあるトラブルなんです。特に、蹄叉(ていさ)と呼ばれる三角形の部分や、その周りの溝に発生しやすいんですよね。放置すると、蹄の奥の敏感な組織までダメージが広がって、跛行(はこう)つまり足を引きずる状態になることもあります。

私が最初にこの病気を知ったのは、乗馬クラブで働いていた時です。そこのベテラン厩務員が「蹄叉腐病は、馬の足の健康を静かに蝕むやつだ」って言ってたんですよね。実際、見た目は小さな黒いシミ程度でも、爪切りで削ってみると、深い穴が開いていることがあります。特に、蹄叉の中央の溝(中央溝)両側の溝(側溝)に黒い汁がたまっていたら、要注意です。この病気は、湿った、暗くて、酸素の少ない環境を好むので、放牧地がぬかるんでいたり、厩舎の中が清潔じゃなかったりすると、あっという間に広がります。

なぜ「蹄叉腐病」と呼ばれるのか

「蹄叉腐病」という名前、ちょっと怖いですよね。でも、この名前は症状をそのまま表しているんです。つまり、蹄叉の組織が腐ってしまうから、こう呼ばれています。特に、腐ったような独特の悪臭がするので、「あ、これは蹄叉腐病だ」ってすぐにわかるんですよ。

この臭いの正体は、嫌気性細菌がタンパク質を分解する時に出すガスです。まるで、腐った卵みたいな臭いと言ったら、イメージしやすいでしょうか?馬の蹄を掃除するたびに、こんな臭いがしたら、もうかなり進行している可能性があります。私の知り合いの馬主さんは、最初「ちょっと蹄が臭うくらい」って軽く見ていたそうです。ところが、1ヶ月も経たないうちに、馬が歩くのを嫌がるようになってしまいました。結局、獣医さんに診てもらったら、重度の蹄叉腐病で、数ヶ月も治療に時間がかかってしまったんです。そうならないためにも、「臭い」というサインを見逃さないことが大切です。

症状と見分け方

馬の蹄叉腐病を徹底解説:症状から治療・予防まで Photos provided by pixabay

典型的な症状をチェック

蹄叉腐病の症状って、見た目と臭いでだいたいわかります。まず、黒っぽい、水っぽい、または油っぽい分泌物が蹄叉の溝から出てきます。それから、独特の悪臭がするのも特徴です。さらに、蹄叉の形が崩れたり、柔らかくなったりして、蹄の裏側がもろくなることもあります。

「あなたは、馬の蹄の臭いをかいだことがありますか?」正直、健康な蹄にはほとんど臭いがありません。でも、蹄叉腐病にかかると、洗った後でも臭いが残るんです。特に、蹄の先端部分を押すと、馬が痛がるようなら、かなり深刻です。軽度の場合は、「蹄を掃除する時に、ちょっと黒い汚れがつくかな?」くらいで済むこともあります。しかし、進行すると、蹄の裏側に深い亀裂が入ったり、かかとの部分まで腐敗が広がったりします。私の経験では、蹄の裏側から血が出てくるようなケースは、すぐに獣医さんに連絡する必要があります。放っておくと、白線病や蹄葉炎といった、もっと怖い病気を引き起こすからです。

症状の進行度合いを見極める

蹄叉腐病の重症度は、症状の広がり方で変わります。軽度なら、蹄叉の溝に黒い汚れが少しあるだけで、馬も痛がりません。でも、中度になると、蹄叉の形が崩れてきて、押すと痛がるようになります。そして、重度になると、蹄の裏側全体が腐敗して、馬が立っているのも辛そうになります

ここで、軽度と重度のケースを比較した表を用意しました。参考にしてみてください。

項目軽度のケース重度のケース
見た目蹄叉の溝に黒いシミ程度蹄叉全体が崩れ、深い穴が開く
臭いほとんど気にならない腐ったような強烈な悪臭
馬の様子普段と変わらず歩く歩くのを嫌がり、跛行が見られる
治療期間約1~2週間で改善数ヶ月かかる場合も
必要な処置毎日の掃除と市販薬獣医による切除、処方薬、抗生物質

「なぜ、軽度のうちに気づかないのでしょうか?」それは、初期症状が非常にわかりにくいからです。馬は本能的に痛みを隠す動物なので、「ちょっと蹄が臭いな」と思っても、馬は普段通りに過ごしてしまうんです。ですから、「症状が軽いから大丈夫」と油断するのは、絶対に禁物です。私の知り合いの厩務員は、毎日の蹄掃除の時に、必ず「臭い」と「黒い汚れ」をチェックするルールを作っています。そうすることで、軽度のうちに発見できる確率がグッと上がるそうです。

原因とリスク要因

環境要因と管理不足

蹄叉腐病の原因で一番多いのは、湿った環境です。例えば、雨が続いて放牧地がぬかるんでいるとか、厩舎の中が汚れていて、馬がいつも湿った場所に立っているといった状況です。特に、雪や泥の中で長時間過ごす馬は、リスクがとても高いんです。

ある研究によると、湿った環境で飼育されている馬の約30~40%が、生涯に一度は蹄叉腐病を経験すると言われています。これは、嫌気性細菌が湿った場所を好むからです。でも、「環境が悪いから仕方ない」と諦めるのは間違いです。私は、厩舎の掃除をこまめにすることと、放牧地の水はけを良くすることで、かなりのケースを予防できると実感しています。例えば、毎日1回は厩舎の敷き藁を交換する放牧地に砂利を敷いて水はけを良くするといった工夫が効果的です。また、運動不足も原因の一つです。馬がじっとしていると、蹄への血流が悪くなって、蹄の健康が損なわれるんです。ですから、「うちの馬は、いつも厩舎の中で寝ているばかり」という場合は、特に注意が必要です。

馬の蹄叉腐病を徹底解説:症状から治療・予防まで Photos provided by pixabay

典型的な症状をチェック

蹄の形や装蹄師(そうていし)によるケアも、蹄叉腐病に大きく関係します。例えば、蹄のバランスが悪いと、体重が一部に集中して、蹄叉に負担がかかるんです。そうすると、蹄叉の組織が弱くなって、細菌が入り込みやすくなるわけです。また、装蹄師の来る間隔が長すぎると、蹄の形が崩れて、溝が深くなりすぎることもあります。

私の経験では、6~8週間ごとに装蹄師に診てもらうのが理想です。これは、ちょうど蹄が伸びて、形が崩れ始めるタイミングなんです。ある馬主さんは、「忙しくて、つい装蹄師を呼ぶのを忘れてしまう」と言っていました。でも、「蹄が伸びすぎて、蹄叉の溝が深くなり、そこに汚れがたまって、蹄叉腐病になった」というケースを、私は何度も見てきました。ですから、「装蹄師任せ」ではなく、自分でも毎日蹄の状態をチェックすることが大切です。例えば、蹄を掃除する時に、蹄叉の溝の深さや形を確認する「いつもと違うな」と感じたら、すぐに装蹄師に相談するといった習慣が、予防につながります。

獣医師による診断方法

プロの目で見極める

獣医師は、問診と蹄の検査で診断を下します。まず、あなたに「蹄の掃除はどのくらいの頻度でしていますか?」「馬の運動量はどれくらいですか?」など、馬の生活環境を詳しく聞きます。そして、蹄の形や臭い、黒い分泌物の有無をチェックします。さらに、「蹄検器(ていけんき)」という道具を使って、蹄のどの部分が痛いかを調べます

「なぜ、獣医師はこんなに細かく質問するのでしょうか?」それは、蹄叉腐病の原因を特定するためです。例えば、「毎日蹄を掃除しているけど、放牧地がいつもぬかるんでいる」という場合、環境改善が治療の鍵になります。逆に、「環境は良いけど、装蹄師にあまり診てもらっていない」という場合、蹄の形が悪いことが原因かもしれません。獣医師は、これらの情報を総合的に判断して、最適な治療法を提案します。私の経験では、「蹄の臭いが気になる」と電話で相談しただけで、獣医師がすぐに来てくれたこともあります。やはり、プロの目で診てもらうのが、一番確実です。

自宅でできる簡単なチェック法

獣医師を呼ぶ前に、自分でできるチェック法もあります。まず、蹄を洗って、きれいな布で拭いてみてください。その時、黒い汚れがついたり、変な臭いがしたら、要注意です。次に、蹄の裏側を指で押してみて、馬が痛がるかどうかを確認します

私がおすすめするのは、「毎日の蹄掃除の時に、写真を撮っておく」という方法です。これは、「先週と比べて、黒い部分が広がっていないか?」を視覚的に確認できるからです。ある馬主さんは、「写真を撮り始めてから、蹄の変化にすごく敏感になった」と話していました。また、「蹄の臭いを、毎日チェックする習慣をつける」のも大切です。健康な蹄は、ほとんど無臭です。ですから、「なんか臭うな」と感じたら、それだけでサインです。ただし、「自分で判断するのは難しい」という場合は、無理せずに獣医師に相談してください。特に、馬が跛行している場合や、蹄から出血している場合は、すぐに専門家の診断を受けるべきです

治療法と市販薬の選び方

馬の蹄叉腐病を徹底解説:症状から治療・予防まで Photos provided by pixabay

典型的な症状をチェック

蹄叉腐病の治療は、重症度によって変わります。軽度の場合は、毎日の蹄の掃除と、市販の治療薬を塗るだけで十分です。例えば、「Kopertox®(コパートックス)」や「Mustad© Thrush Buster(マスタッド スラッシュバスター)」、「Absorbine® Hooflex Thrush Remedy(アブソーバイン フーフレックス スラッシュレメディ)」といった製品が、ドラッグストアやオンラインで簡単に手に入ります

ただし、中度から重度の場合は、獣医師による治療が必要です。この場合、獣医師が腐った部分を削り取る「デブリードマン」を行います。そして、抗生物質や、場合によっては蹄に穴を開けて薬を入れる「ホスピタルプレート」という処置を行うこともあります。また、「破傷風の予防接種」も、この機会に必ず受けておくべきです。私の知り合いの馬主さんは、「軽度だと思って市販薬だけで治療していたら、どんどん悪化してしまった」と言っていました。結局、獣医師に診てもらったら、かなり進行していて、3ヶ月も治療に時間がかかってしまったんです。ですから、「自分で治療するのは、軽度のときだけ」と、しっかりと線引きをすることが大切です。

市販薬の選び方と注意点

市販薬を選ぶ時は、「水に強いか」「乾燥効果があるか」をチェックしてください。例えば、「Kopertox®」は、水に強い被膜を作るので、放牧地がぬかるんでいる馬に適しています。一方、「Mustad© Thrush Buster」は、乾燥効果が高く、臭いも抑えてくれるので、「臭いが気になる」という人におすすめです。

ある調査によると、市販薬を選ぶ時に最も重視されるポイントは、「効果の持続性」と「使いやすさ」だそうです。実際、「毎日塗るのは面倒だから、1回塗れば長く効果が続くものがいい」という人も多いです。でも、「効果が長いからといって、塗る回数を減らして良いわけではない」ということを、覚えておいてください。私は、「どんなに良い薬を使っても、毎日の掃除を怠ると、効果は半減すると、よく馬主さんに伝えています。また、「塗る前に、蹄をきれいに洗って、しっかり乾かす」というのも、重要なポイントです。例えば、蹄が濡れたまま薬を塗ると、薬がうまく浸透しないんです。ですから、「掃除→乾燥→塗布」という順番を、必ず守ってください

回復と予防管理

回復までの道のり

蹄叉腐病からの回復期間は、重症度によって大きく変わります。軽度の場合は、約1週間ほどで、黒い汚れが減り、臭いも消えてきます。でも、重度の場合は、完全に健康な蹄が再生するまでに、数ヶ月かかることも珍しくありません。特に、蹄の奥深くまで感染が広がっていた場合、蹄そのものが変形してしまうリスクもあります

「なぜ、回復にこんなに時間がかかるのでしょうか?」それは、蹄の組織が再生するのに、時間がかかるからです。蹄は、1ヶ月に約6~8ミリしか伸びないんです。ですから、「蹄の裏側全体が腐ってしまった」という場合、完全に新しい組織に置き換わるまでに、数ヶ月かかるのは、当然と言えます。私の経験では、「治療を始めてから、2週間で劇的に改善した」というケースは、ほとんどが軽度のものです。中度以上の場合は、「焦らずに、長い目で見て治療を続ける」ことが大切です。また、回復を早めるためには、馬の運動量を増やすことも効果的です。運動は、蹄への血流を良くして、組織の再生を促進するからです。

日常の予防策

蹄叉腐病を予防するには、「清潔」「乾燥」「運動」「装蹄」の4つを意識してください。まず、毎日、蹄を掃除して、汚れや湿気を取り除くことが基本です。次に、厩舎や放牧地を、常に清潔で乾燥した状態に保つことが重要です。そして、馬に毎日適度な運動をさせて、蹄への血流を促進すること。最後に、6~8週間ごとに装蹄師に診てもらって、蹄のバランスを整えることです。

私が実践している予防策を、もう少し詳しく紹介します。まず、「蹄の掃除の時に、蹄叉の溝をブラシでしっかりと掃除する」ことです。この時、「溝の奥まで汚れが残っていないか?」を、指で触って確認するのがポイントです。次に、「放牧地に、水はけの良い場所を作る」ことです。例えば、放牧地の一部に砂利を敷いて、馬がそこで休めるようにすると、蹄が濡れている時間を減らせます。また、「蹄の乾燥剤を使う」という方法も、とても効果的です。例えば、「蹄の裏側に、乾燥剤を軽くまいておく」と、湿気を吸収してくれます。ただし、「乾燥剤を使いすぎると、蹄が割れやすくなる」というリスクもあるので、適量を守ってください。最後に、「馬の行動を観察する」ことも大切です。例えば、「いつもより、馬が歩くのを嫌がっている」「蹄を地面に打ち付けるようにしている」といったサインを見逃さないようにしましょう。

よくある誤解

「清潔にしていれば大丈夫」という誤解

「蹄を毎日掃除しているから、蹄叉腐病にはならない」と思っている人が、とても多いです。でも、清潔にしていても、蹄の形が悪かったり、環境が湿っていたりすると、発症するリスクは十分にあります。特に、「蹄のバランスが悪い馬」は、蹄叉に負担がかかりやすく、細菌が入り込みやすいんです。

ある馬主さんは、「毎日、蹄を掃除して、消毒もしているのに、なぜか蹄叉腐病になってしまう」と悩んでいました。調べてみると、その馬は、蹄の形がもともと悪く、蹄叉の溝が異常に深かったんです。そして、放牧地がぬかるんでいて、蹄が常に湿った状態だったことも、原因の一つでした。つまり、「清潔」と「乾燥」は、別のものだということです。いくら掃除をしても、蹄が濡れたままでは、細菌が繁殖する条件が整ってしまうんです。ですから、「掃除をした後は、必ず蹄を乾かす」という習慣をつけることが大切です。また、「蹄の形が悪い」という場合は、装蹄師に相談して、蹄のバランスを整えてもらうことも必要です。

「軽度なら放置しても治る」という誤解

「蹄にちょっと黒い汚れがあるくらいだから、放っておいても治るだろう」と思うのは、非常に危険な考え方です。蹄叉腐病は、自然に治ることは、ほとんどありません。むしろ、放置すればするほど、症状が悪化して、蹄の奥深くまで感染が広がるリスクがあります。

私の経験では、「軽度だから大丈夫」と油断して、数週間後に重度の蹄叉腐病になってしまったケースを、何度も見てきました。例えば、「蹄の臭いが気になるけど、忙しくて獣医師を呼べなかった」という馬主さんがいました。結局、1ヶ月後には、馬が跛行してしまい、緊急で獣医師を呼ぶことになったんです。その時、獣医師は「もう少し放置していたら、蹄葉炎を併発していたかもしれない」と言っていました。ですから、「軽度だから」と軽く見るのではなく、「軽度のうちに治療する」という意識が大切です。私がおすすめするのは、「蹄に少しでも異常を感じたら、すぐに獣医師か装蹄師に相談する」というルールを作ることです。

実際の事例から学ぶ

私が経験したケーススタディ

ある時、乗馬クラブで働いていた時に、一頭の馬が蹄叉腐病になったことがあります。その馬は、「毎日、蹄を掃除しているのに、なぜか蹄が臭う」と、スタッフが気にしていました。調べてみると、その馬は、蹄の形が少し歪んでいて、蹄叉の溝に汚れがたまりやすくなっていたんです。そして、その馬だけ、放牧地のぬかるんだ場所で休む癖があったんです。

このケースでは、原因を特定するのに、ちょっとした観察が必要でした。まず、「なぜ、他の馬は蹄叉腐病にならないのに、この馬だけなるのか?」という疑問を持ちました。そして、その馬の行動を観察した結果、「特定の場所で休む癖」と「蹄の形の歪み」が原因だとわかりました。そこで、私たちは、「その馬の放牧地の一部に、水はけの良い砂利を敷く」「蹄の形を整えるために、装蹄師に早めに診てもらう」という対策をとりました。結果、その馬の蹄叉腐病は、1ヶ月ほどで完治しました。この経験から、私は「馬の個性を理解すること」が、予防の鍵になると学びました。

そこから学んだ教訓

この事例から学んだ教訓は、「蹄叉腐病は、馬の生活環境や個性を反映する病気」だということです。つまり、「一頭一頭の馬に合わせたケアが必要」だということです。例えば、「放牧地でいつもぬかるんだ場所にいる馬」には、水はけの良い場所を作る「蹄の形が悪い馬」には、装蹄師によるこまめな調整が必要です。

また、「早期発見のためには、毎日の観察が欠かせない」ということも、改めて実感しました。私が今でも実践しているのは、「蹄を掃除する時に、必ず5秒間、蹄の臭いをかぐ」という習慣です。これは、「臭いの変化」を、いち早く察知するためです。また、「蹄の写真を撮って、日付と一緒に記録しておく」ことも、変化を見逃さないために役立ちます。例えば、「先週の写真と比べて、黒い部分が広がっている」とわかれば、すぐに対処できます。最後に、「獣医師や装蹄師との連携を大切にする」ことも重要です。例えば、「蹄の状態を、こまめに獣医師に報告する」ことで、「軽度のうちに、適切なアドバイスがもらえる」というメリットがあります。

参考文献

この記事を書くにあたり、以下の情報を参考にしました。装蹄師や獣医師の間で広く知られている知識や、実践的なアドバイスを基にしています。

Judd B. US Equestrian. Hoof Help: Thrush. June 2020.
Paul Pion DVM, Spadafori G. Veterinary Partner. Thrush in Horses Hooves. August 2017.
Fabus, Taylor. Michigan State University Extension. Preventing and treating thrush in horses. 2019.
Featured Image: iStock.com/photography-wildlife-de

馬の蹄叉腐病(Thrush)とは?

蹄叉腐病の基礎知識

馬の蹄叉腐病って、聞いたことありますか?これは、嫌気性細菌(酸素がなくても増える細菌)が原因で起こる、蹄のよくあるトラブルなんです。特に、蹄叉(ていさ)と呼ばれる三角形の部分や、その周りの溝に発生しやすいんですよね。放置すると、蹄の奥の敏感な組織までダメージが広がって、跛行(はこう)つまり足を引きずる状態になることもあります。

私が最初にこの病気を知ったのは、乗馬クラブで働いていた時です。そこのベテラン厩務員が「蹄叉腐病は、馬の足の健康を静かに蝕むやつだ」って言ってたんですよね。実際、見た目は小さな黒いシミ程度でも、爪切りで削ってみると、深い穴が開いていることがあります。特に、蹄叉の中央の溝(中央溝)両側の溝(側溝)に黒い汁がたまっていたら、要注意です。この病気は、湿った、暗くて、酸素の少ない環境を好むので、放牧地がぬかるんでいたり、厩舎の中が清潔じゃなかったりすると、あっという間に広がります。

蹄叉腐病が進行するメカニズム

蹄叉腐病の進行って、どんな仕組みで起こると思いますか?実は、嫌気性細菌が蹄叉の組織を分解する過程で、毒素を出すんです。その毒素が、蹄の健康な細胞を傷つけて、炎症を引き起こすわけです。そして、炎症が進むと、組織が壊死して、腐敗した部分が広がるという悪循環に陥ります。

「なぜ、蹄叉腐病はこんなに進行が早いのでしょうか?」答えは、蹄の構造にあります。蹄叉は、蹄のショックアブソーバー(衝撃吸収材)の役割をしていて、血流が豊富な組織なんです。でも、湿った環境で細菌が繁殖すると、その血流が妨げられて、組織が酸素不足になるんです。すると、嫌気性細菌がさらに増えやすくなって、まるでドミノ倒しのように症状が悪化するんです。ある研究によると、適切な治療をしない場合、軽度の蹄叉腐病が重度になるまでにかかる期間は、約2~4週間と言われています。つまり、「ちょっと臭うかな」と思ったら、すぐに行動を起こさないと、あっという間に手遅れになる可能性があるんです。私の経験では、「週末に気づいたけど、月曜日まで待とう」と油断して、火曜日には馬が歩けなくなっていたというケースもありました。

症状と見分け方

馬の蹄叉腐病を徹底解説:症状から治療・予防まで Photos provided by pixabay

典型的な症状をチェック

蹄叉腐病の症状って、見た目と臭いでだいたいわかります。まず、黒っぽい、水っぽい、または油っぽい分泌物が蹄叉の溝から出てきます。それから、独特の悪臭がするのも特徴です。さらに、蹄叉の形が崩れたり、柔らかくなったりして、蹄の裏側がもろくなることもあります。

「あなたは、馬の蹄の臭いをかいだことがありますか?」正直、健康な蹄にはほとんど臭いがありません。でも、蹄叉腐病にかかると、洗った後でも臭いが残るんです。特に、蹄の先端部分を押すと、馬が痛がるようなら、かなり深刻です。軽度の場合は、「蹄を掃除する時に、ちょっと黒い汚れがつくかな?」くらいで済むこともあります。しかし、進行すると、蹄の裏側に深い亀裂が入ったり、かかとの部分まで腐敗が広がったりします。私の経験では、蹄の裏側から血が出てくるようなケースは、すぐに獣医さんに連絡する必要があります。放っておくと、白線病や蹄葉炎といった、もっと怖い病気を引き起こすからです。

症状の進行度合いを見極める

蹄叉腐病の重症度は、症状の広がり方で変わります。軽度なら、蹄叉の溝に黒い汚れが少しあるだけで、馬も痛がりません。でも、中度になると、蹄叉の形が崩れてきて、押すと痛がるようになります。そして、重度になると、蹄の裏側全体が腐敗して、馬が立っているのも辛そうになります

ここで、軽度と重度のケースを比較した表を用意しました。参考にしてみてください。

項目軽度のケース重度のケース
見た目蹄叉の溝に黒いシミ程度蹄叉全体が崩れ、深い穴が開く
臭いほとんど気にならない腐ったような強烈な悪臭
馬の様子普段と変わらず歩く歩くのを嫌がり、跛行が見られる
治療期間約1~2週間で改善数ヶ月かかる場合も
必要な処置毎日の掃除と市販薬獣医による切除、処方薬、抗生物質

「なぜ、軽度のうちに気づかないのでしょうか?」それは、初期症状が非常にわかりにくいからです。馬は本能的に痛みを隠す動物なので、「ちょっと蹄が臭いな」と思っても、馬は普段通りに過ごしてしまうんです。ですから、「症状が軽いから大丈夫」と油断するのは、絶対に禁物です。私の知り合いの厩務員は、毎日の蹄掃除の時に、必ず「臭い」と「黒い汚れ」をチェックするルールを作っています。そうすることで、軽度のうちに発見できる確率がグッと上がるそうです。

原因とリスク要因

環境要因と管理不足

蹄叉腐病の原因で一番多いのは、湿った環境です。例えば、雨が続いて放牧地がぬかるんでいるとか、厩舎の中が汚れていて、馬がいつも湿った場所に立っているといった状況です。特に、雪や泥の中で長時間過ごす馬は、リスクがとても高いんです。

ある研究によると、湿った環境で飼育されている馬の約30~40%が、生涯に一度は蹄叉腐病を経験すると言われています。これは、嫌気性細菌が湿った場所を好むからです。でも、「環境が悪いから仕方ない」と諦めるのは間違いです。私は、厩舎の掃除をこまめにすることと、放牧地の水はけを良くすることで、かなりのケースを予防できると実感しています。例えば、毎日1回は厩舎の敷き藁を交換する放牧地に砂利を敷いて水はけを良くするといった工夫が効果的です。また、運動不足も原因の一つです。馬がじっとしていると、蹄への血流が悪くなって、蹄の健康が損なわれるんです。ですから、「うちの馬は、いつも厩舎の中で寝ているばかり」という場合は、特に注意が必要です。

馬の蹄叉腐病を徹底解説:症状から治療・予防まで Photos provided by pixabay

典型的な症状をチェック

蹄の形や装蹄師(そうていし)によるケアも、蹄叉腐病に大きく関係します。例えば、蹄のバランスが悪いと、体重が一部に集中して、蹄叉に負担がかかるんです。そうすると、蹄叉の組織が弱くなって、細菌が入り込みやすくなるわけです。また、装蹄師の来る間隔が長すぎると、蹄の形が崩れて、溝が深くなりすぎることもあります。

私の経験では、6~8週間ごとに装蹄師に診てもらうのが理想です。これは、ちょうど蹄が伸びて、形が崩れ始めるタイミングなんです。ある馬主さんは、「忙しくて、つい装蹄師を呼ぶのを忘れてしまう」と言っていました。でも、「蹄が伸びすぎて、蹄叉の溝が深くなり、そこに汚れがたまって、蹄叉腐病になった」というケースを、私は何度も見てきました。ですから、「装蹄師任せ」ではなく、自分でも毎日蹄の状態をチェックすることが大切です。例えば、蹄を掃除する時に、蹄叉の溝の深さや形を確認する「いつもと違うな」と感じたら、すぐに装蹄師に相談するといった習慣が、予防につながります。

獣医師による診断方法

プロの目で見極める

獣医師は、問診と蹄の検査で診断を下します。まず、あなたに「蹄の掃除はどのくらいの頻度でしていますか?」「馬の運動量はどれくらいですか?」など、馬の生活環境を詳しく聞きます。そして、蹄の形や臭い、黒い分泌物の有無をチェックします。さらに、「蹄検器(ていけんき)」という道具を使って、蹄のどの部分が痛いかを調べます

「なぜ、獣医師はこんなに細かく質問するのでしょうか?」それは、蹄叉腐病の原因を特定するためです。例えば、「毎日蹄を掃除しているけど、放牧地がいつもぬかるんでいる」という場合、環境改善が治療の鍵になります。逆に、「環境は良いけど、装蹄師にあまり診てもらっていない」という場合、蹄の形が悪いことが原因かもしれません。獣医師は、これらの情報を総合的に判断して、最適な治療法を提案します。私の経験では、「蹄の臭いが気になる」と電話で相談しただけで、獣医師がすぐに来てくれたこともあります。やはり、プロの目で診てもらうのが、一番確実です。

自宅でできる簡単なチェック法

獣医師を呼ぶ前に、自分でできるチェック法もあります。まず、蹄を洗って、きれいな布で拭いてみてください。その時、黒い汚れがついたり、変な臭いがしたら、要注意です。次に、蹄の裏側を指で押してみて、馬が痛がるかどうかを確認します

私がおすすめするのは、「毎日の蹄掃除の時に、写真を撮っておく」という方法です。これは、「先週と比べて、黒い部分が広がっていないか?」を視覚的に確認できるからです。ある馬主さんは、「写真を撮り始めてから、蹄の変化にすごく敏感になった」と話していました。また、「蹄の臭いを、毎日チェックする習慣をつける」のも大切です。健康な蹄は、ほとんど無臭です。ですから、「なんか臭うな」と感じたら、それだけでサインです。ただし、「自分で判断するのは難しい」という場合は、無理せずに獣医師に相談してください。特に、馬が跛行している場合や、蹄から出血している場合は、すぐに専門家の診断を受けるべきです

治療法と市販薬の選び方

馬の蹄叉腐病を徹底解説:症状から治療・予防まで Photos provided by pixabay

典型的な症状をチェック

蹄叉腐病の治療は、重症度によって変わります。軽度の場合は、毎日の蹄の掃除と、市販の治療薬を塗るだけで十分です。例えば、「Kopertox®(コパートックス)」や「Mustad© Thrush Buster(マスタッド スラッシュバスター)」、「Absorbine® Hooflex Thrush Remedy(アブソーバイン フーフレックス スラッシュレメディ)」といった製品が、ドラッグストアやオンラインで簡単に手に入ります

ただし、中度から重度の場合は、獣医師による治療が必要です。この場合、獣医師が腐った部分を削り取る「デブリードマン」を行います。そして、抗生物質や、場合によっては蹄に穴を開けて薬を入れる「ホスピタルプレート」という処置を行うこともあります。また、「破傷風の予防接種」も、この機会に必ず受けておくべきです。私の知り合いの馬主さんは、「軽度だと思って市販薬だけで治療していたら、どんどん悪化してしまった」と言っていました。結局、獣医師に診てもらったら、かなり進行していて、3ヶ月も治療に時間がかかってしまったんです。ですから、「自分で治療するのは、軽度のときだけ」と、しっかりと線引きをすることが大切です。

市販薬の選び方と注意点

市販薬を選ぶ時は、「水に強いか」「乾燥効果があるか」をチェックしてください。例えば、「Kopertox®」は、水に強い被膜を作るので、放牧地がぬかるんでいる馬に適しています。一方、「Mustad© Thrush Buster」は、乾燥効果が高く、臭いも抑えてくれるので、「臭いが気になる」という人におすすめです。

ある調査によると、市販薬を選ぶ時に最も重視されるポイントは、「効果の持続性」と「使いやすさ」だそうです。実際、「毎日塗るのは面倒だから、1回塗れば長く効果が続くものがいい」という人も多いです。でも、「効果が長いからといって、塗る回数を減らして良いわけではない」ということを、覚えておいてください。私は、「どんなに良い薬を使っても、毎日の掃除を怠ると、効果は半減すると、よく馬主さんに伝えています。また、「塗る前に、蹄をきれいに洗って、しっかり乾かす」というのも、重要なポイントです。例えば、蹄が濡れたまま薬を塗ると、薬がうまく浸透しないんです。ですから、「掃除→乾燥→塗布」という順番を、必ず守ってください

回復と予防管理

回復までの道のり

蹄叉腐病からの回復期間は、重症度によって大きく変わります。軽度の場合は、約1週間ほどで、黒い汚れが減り、臭いも消えてきます。でも、重度の場合は、完全に健康な蹄が再生するまでに、数ヶ月かかることも珍しくありません。特に、蹄の奥深くまで感染が広がっていた場合、蹄そのものが変形してしまうリスクもあります

「なぜ、回復にこんなに時間がかかるのでしょうか?」それは、蹄の組織が再生するのに、時間がかかるからです。蹄は、1ヶ月に約6~8ミリしか伸びないんです。ですから、「蹄の裏側全体が腐ってしまった」という場合、完全に新しい組織に置き換わるまでに、数ヶ月かかるのは、当然と言えます。私の経験では、「治療を始めてから、2週間で劇的に改善した」というケースは、ほとんどが軽度のものです。中度以上の場合は、「焦らずに、長い目で見て治療を続ける」ことが大切です。また、回復を早めるためには、馬の運動量を増やすことも効果的です。運動は、蹄への血流を良くして、組織の再生を促進するからです。

日常の予防策

蹄叉腐病を予防するには、「清潔」「乾燥」「運動」「装蹄」の4つを意識してください。まず、毎日、蹄を掃除して、汚れや湿気を取り除くことが基本です。次に、厩舎や放牧地を、常に清潔で乾燥した状態に保つことが重要です。そして、馬に毎日適度な運動をさせて、蹄への血流を促進すること。最後に、6~8週間ごとに装蹄師に診てもらって、蹄のバランスを整えることです。

私が実践している予防策を、もう少し詳しく紹介します。まず、「蹄の掃除の時に、蹄叉の溝をブラシでしっかりと掃除する」ことです。この時、「溝の奥まで汚れが残っていないか?」を、指で触って確認するのがポイントです。次に、「放牧地に、水はけの良い場所を作る」ことです。例えば、放牧地の一部に砂利を敷いて、馬がそこで休めるようにすると、蹄が濡れている時間を減らせます。また、「蹄の乾燥剤を使う」という方法も、とても効果的です。例えば、「蹄の裏側に、乾燥剤を軽くまいておく」と、湿気を吸収してくれます。ただし、「乾燥剤を使いすぎると、蹄が割れやすくなる」というリスクもあるので、適量を守ってください。最後に、「馬の行動を観察する」ことも大切です。例えば、「いつもより、馬が歩くのを嫌がっている」「蹄を地面に打ち付けるようにしている」といったサインを見逃さないようにしましょう。

よくある誤解

「清潔にしていれば大丈夫」という誤解

「蹄を毎日掃除しているから、蹄叉腐病にはならない」と思っている人が、とても多いです。でも、清潔にしていても、蹄の形が悪かったり、環境が湿っていたりすると、発症するリスクは十分にあります。特に、「蹄のバランスが悪い馬」は、蹄叉に負担がかかりやすく、細菌が入り込みやすいんです。

ある馬主さんは、「毎日、蹄を掃除して、消毒もしているのに、なぜか蹄叉腐病になってしまう」と悩んでいました。調べてみると、その馬は、蹄の形がもともと悪く、蹄叉の溝が異常に深かったんです。そして、放牧地がぬかるんでいて、蹄が常に湿った状態だったことも、原因の一つでした。つまり、「清潔」と「乾燥」は、別のものだということです。いくら掃除をしても、蹄が濡れたままでは、細菌が繁殖する条件が整ってしまうんです。ですから、「掃除をした後は、必ず蹄を乾かす」という習慣をつけることが大切です。また、「蹄の形が悪い」という場合は、装蹄師に相談して、蹄のバランスを整えてもらうことも必要です。

「軽度なら放置しても治る」という誤解

「蹄にちょっと黒い汚れがあるくらいだから、放っておいても治るだろう」と思うのは、非常に危険な考え方です。蹄叉腐病は、自然に治ることは、ほとんどありません。むしろ、放置すればするほど、症状が悪化して、蹄の奥深くまで感染が広がるリスクがあります。

私の経験では、「軽度だから大丈夫」と油断して、数週間後に重度の蹄叉腐病になってしまったケースを、何度も見てきました。例えば、「蹄の臭いが気になるけど、忙しくて獣医師を呼べなかった」という馬主さんがいました。結局、1ヶ月後には、馬が跛行してしまい、緊急で獣医師を呼ぶことになったんです。その時、獣医師は「もう少し放置していたら、蹄葉炎を併発していたかもしれない」と言っていました。ですから、「軽度だから」と軽く見るのではなく、「軽度のうちに治療する」という意識が大切です。私がおすすめするのは、「蹄に少しでも異常を感じたら、すぐに獣医師か装蹄師に相談する」というルールを作ることです。

実際の事例から学ぶ

私が経験したケーススタディ

ある時、乗馬クラブで働いていた時に、一頭の馬が蹄叉腐病になったことがあります。その馬は、「毎日、蹄を掃除しているのに、なぜか蹄が臭う」と、スタッフが気にしていました。調べてみると、その馬は、蹄の形が少し歪んでいて、蹄叉の溝に汚れがたまりやすくなっていたんです。そして、その馬だけ、放牧地のぬかるんだ場所で休む癖があったんです。

このケースでは、原因を特定するのに、ちょっとした観察が必要でした。まず、「なぜ、他の馬は蹄叉腐病にならないのに、この馬だけなるのか?」という疑問を持ちました。そして、その馬の行動を観察した結果、「特定の場所で休む癖」と「蹄の形の歪み」が原因だとわかりました。そこで、私たちは、「その馬の放牧地の一部に、水はけの良い砂利を敷く」「蹄の形を整えるために、装蹄師に早めに診てもらう」という対策をとりました。結果、その馬の蹄叉腐病は、1ヶ月ほどで完治しました。この経験から、私は「馬の個性を理解すること」が、予防の鍵になると学びました。

そこから学んだ教訓

この事例から学んだ教訓は、「蹄叉腐病は、馬の生活環境や個性を反映する病気」だということです。つまり、「一頭一頭の馬に合わせたケアが必要」だということです。例えば、「放牧地でいつもぬかるんだ場所にいる馬」には、水はけの良い場所を作る「蹄の形が悪い馬」には、装蹄師によるこまめな調整が必要です。

また、「早期発見のためには、毎日の観察が欠かせない」ということも、改めて実感しました。私が今でも実践しているのは、「蹄を掃除する時に、必ず5秒間、蹄の臭いをかぐ」という習慣です。これは、「臭いの変化」を、いち早く察知するためです。また、「蹄の写真を撮って、日付と一緒に記録しておく」ことも、変化を見逃さないために役立ちます。例えば、「先週の写真と比べて、黒い部分が広がっている」とわかれば、すぐに対処できます。最後に、「獣医師や装蹄師との連携を大切にする」ことも重要です。例えば、「蹄の状態を、こまめに獣医師に報告する」ことで、「軽度のうちに、適切なアドバイスがもらえる」というメリットがあります。

参考文献

この記事を書くにあたり、以下の情報を参考にしました。装蹄師や獣医師の間で広く知られている知識や、実践的なアドバイスを基にしています。

Judd B. US Equestrian. Hoof Help: Thrush. June 2020.
Paul Pion DVM, Spadafori G. Veterinary Partner. Thrush in Horses Hooves. August 2017.
Fabus, Taylor. Michigan State University Extension. Preventing and treating thrush in horses. 2019.
Featured Image: iStock.com/photography-wildlife-de

E.g. :個人的には、蹄叉腐れってどうやって治療してる? : r/Horses - Reddit
6.育成牧場における護蹄管理指針 - JRA
ISO 蹄叉腐爛治療のアドバイス : r/Equestrian - Reddit
蹄油・蹄ケア - ウーマジャポン
FH-KSP 【蹄叉腐乱に】蹄用抗菌スプレー(銀イオン配合 Ag+ ...

FAQs

Q: 蹄叉腐病って、具体的にどんな病気なの?

A: 一言で言うと、蹄叉(ていさ)という部分に嫌気性細菌が感染して、組織が腐ってしまう病気です。特に、蹄の裏側の三角形をした蹄叉の溝、具体的には側溝や中央溝に発生しやすいんですよ。この細菌は酸素が嫌いで、湿った暗い場所を好むので、放牧地がぬかるんでいたり、厩舎の掃除が行き届いていなかったりすると、あっという間に繁殖します。初期症状は、黒っぽい水っぽい分泌物と、腐った卵のような独特の悪臭です。私が乗馬クラブで働いていた時も、「蹄の臭いが気になる」という相談はよくありました。放置すると、蹄の奥の敏感な組織まで炎症が広がり、馬が痛がって歩かなくなる跛行(はこう)を引き起こすこともある、侮れない病気なんです。ですから、「ちょっと臭うな」と感じたら、すぐに対処することが大切です。

Q: 軽度の蹄叉腐病と重度のものでは、具体的にどんな違いがあるの?

A: 大きな違いは、症状の広がり方と馬への影響です。軽度の場合は、蹄叉の溝に黒い汚れが少し見られる程度で、馬は痛がらず、臭いもほとんど気になりません。私の経験では、毎日の蹄掃除と市販の治療薬で、約1~2週間で改善します。一方、重度になると、蹄叉の形が崩れて深い穴が開き、腐ったような強烈な悪臭がします。馬は歩くのを嫌がり、明らかな跛行が見られるようになります。治療には数ヶ月かかることもあり、獣医師による腐った部分の切除や、抗生物質の投与が必要になるケースも。さらに悪化すると、蹄葉炎や白線病といった、もっと深刻な病気を併発するリスクも高まります。ですから、「軽度だから大丈夫」と油断せず、早期発見・早期治療を心がけることが、馬の健康を守る上で本当に重要なポイントです。

Q: なぜ、蹄叉腐病は湿った環境で起こりやすいの?

A: 原因となる嫌気性細菌が、湿気を好むからです。この細菌は、酸素が少なく、湿った暗い場所を住みかにしています。雨が続いて放牧地がぬかるんでいたり、厩舎の中が汚れて馬がいつも湿った場所に立っていたりすると、細菌が増殖する絶好の環境が整ってしまうんです。ある研究によると、湿った環境で飼育されている馬の約30~40%が、生涯に一度は蹄叉腐病を経験するとも言われています。ですが、環境が悪いからと諦めるのは早計です。厩舎の敷き藁を毎日交換する、放牧地に砂利を敷いて水はけを良くするといった工夫で、かなりのケースを予防できます。また、運動不足も原因の一つです。馬がじっとしていると蹄への血流が悪くなり、蹄の健康が損なわれます。「うちの馬はいつも厩舎で寝ている」という場合は、特に注意が必要です。

Q: 市販の治療薬を使えば、自分で治せるの?

A: 軽度のケースであれば、市販薬での治療は十分可能です。私もよく「Kopertox®」や「Mustad© Thrush Buster」といった製品をおすすめしています。これらの薬は、乾燥効果が高く、細菌の繁殖を抑えるのに役立ちます。ただし、注意点がいくつかあります。まず、薬を塗る前に、蹄をきれいに洗ってしっかり乾かすことが絶対条件です。濡れたまま塗ると、薬がうまく浸透しません。そして、塗布後も毎日の蹄掃除は欠かせません。どんなに良い薬を使っても、掃除を怠れば効果は半減します。もし、1~2週間経っても症状が改善しない、または悪化しているようであれば、それは獣医師の出番です。特に、馬が跛行している、蹄から出血しているといった場合は、自己判断せずにすぐにプロに相談してください。

Q: 蹄叉腐病を予防するために、毎日できることは?

A: 予防の基本は「清潔」「乾燥」「運動」「装蹄」の4つです。まず、毎日の蹄掃除は必須で、蹄叉の溝をブラシでしっかり掃除し、汚れや湿気を取り除きます。掃除後は、必ず蹄を乾かす習慣をつけてください。次に、厩舎や放牧地を常に清潔で乾燥した状態に保つこと。敷き藁はこまめに交換し、放牧地の水はけを良くする工夫をしましょう。そして、馬に毎日適度な運動をさせることで、蹄への血流を促進します。最後に、6~8週間ごとに装蹄師に診てもらい、蹄のバランスを整えてもらうことも重要です。私が実践しているちょっとしたコツは、蹄の掃除の後に、蹄の裏側に乾燥剤を軽くまいておくことです。ただし、使いすぎは蹄を割れやすくするので注意。これらの習慣を続けることで、蹄叉腐病のリスクをぐっと減らせます。

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